句の後ろは、句会での題詠となります。

付加価値を付けたドーナツ甘過ぎる  甘い

駄菓子屋へ来ると足し算よく出来る 駄菓子  

デザートは別腹残すもんですか   ラスト

家中が嗅いで芋羊羹を捨て     惜しい

クレープを差し上げたまま児が転び  大切

鯛焼きにしとこう花束は高い     買う

肉マンの尻が経木にこびりつき  しつこい

親と子は似るものカレーパンが好き コピー

駄菓子屋の受け取る硬貨あったかい  温い

元通り包めないのでうちで食べ    包む

汁粉まで付き合ったのにそれっきり  汁粉

一捻りソフトクリームおまけされ  ひねる

カスタードプリンの揺れも味のうち 揺れる

咳二つしたなお菓子が出てくるな    咳

起こさずにおけと水羊羹の数     昼寝

鯛焼きと帰った晩は注いでくれ  家内安全

クッキーの滓を恐縮して帰り  ぼろぼろ

子供には毒な菓子だと棚に上げ    嘘

妻の肌栗饅頭の艶に負け       妻

焼き芋の売り声北の風に乗り   北の風

お土産が飴では嫁と違い過ぎ   比べる

売れ残る宵の大福みんな買い   義侠心

甘栗で妻に引っ掻かれずに済み   鼻薬

こう提げて下さいましと洋菓子屋 崩れる

ママの腕ドーナツの輪が歪んでる 手並み

どうせ割るんだからと久助を買い  割る

菓子折りが一つで押した判を悔い  押す

その先を聞くお茶を替え菓子を出し  茶

春風に彼岸団子が固くなり   春の彼岸

一口は空洞を噛むカレーパン     空

フラッペがまだまだ売れている残暑 残暑

食べ難いケーキ澄ました客に出し ケーキ

大福が出ると盃置いて食べ      盃

物差が欲しい羊羹への分母    分ける

漉し餡が片寄っていた半分こ    平等