句の後ろは、句会での題詠となります。

あなたなしではと汚い字で綴り    文通

筆噛んで斜めに減った墨を摺り     墨

絵手紙は着いたが鮎も栗も来ず    着く

本状は忘れお土産券は持ち      招待

筆不精あんなことだけまめに付け  筆不精

追伸でそのうち借りに来るらしい  前触れ

遠回しだけど嫌いと書いてある    便り

写真同封して文通が途絶え    イメージ

絵葉書でこんなところへ来ています  旅路

新緑の候から始め金のこと      新緑

言い訳をくどくど書いたご欠席    断る

余ってる行で健勝祈られる   ありきたり

お近くに立ち寄りの節行くもんか   招待

乱筆で違反切符にするサイン    サイン

メモの皺伸ばして小百合って誰さ   メモ

来世でもお前にしとくアンケート   未来

青筋を立ててこの字にゃ点が要る こだわる

感謝状だけで風呂敷無駄になり    荷物

熨斗紙へ酒屋のちびた筆を借り    短い

読まれてるらしい日記に妻を褒め  らしい

捨て印がここにも要ると丸を書き  備える

二位以下は以下同文で済まされる  冷たい

契約書あなたが甲で僕が乙      複雑

スクラップブックに美談黄ばんでる  美談

写経するかたわらに置く蝿叩き    周囲

隠さずに書いて融資を断られ   何もかも

紹介状待合室を通り抜け     すいすい

妻の日記にあん畜生と書かれ     異名

児へのメモおやつの場所と塾のこと  メモ

セールスと電話写経に打ち込めず  腹立ち

書き足して欲しい遺言墨を摺り   手伝う

福引の三等賞で張り出され    射止める

どこを詰めればと家計簿突きつける 詰める

捨て印も朱肉たっぷり付けて押し  念入り

福引の三等賞で貼り出され    射止める