句の後ろは、句会での題詠となります。

ご本尊様は国宝展で留守       留守

よくこんな襤褸を正倉院は見せ    古着

神様の呉れる領収書がお札     領収書

お賽銭箱に参道突き当たり    真っ直ぐ

写経の字恋しい人の名に出会い    煩悩

後列の五百羅漢は手を抜かれ     石像

嫁の名でポックリ寺の護摩を焚き 仕掛ける

提灯でこの角までと知る氏子     限度

バスで来た遍路と分かる声が跳ね  賑やか

神様の方はお百度数えない      勘定

年男女優の横で撒きたがり      年男

縁日がもうアセチレン臭くない    灯り

新しい氏子を抱いて鈴振り       鈴

どう座り替えてもお経長過ぎる    辛抱

酸性雨露座の大仏肌が荒れ       肌

寺からの知らせで思い出す年忌     寺

錫杖も冷え地蔵様寒かろう      握る

嫁の行くポックリ寺は礼参り     代理

逆光の部屋でばっかり会う教祖  まぶしい

運慶の方は山門陽が翳り       片方

お百度を少し端折らす雪が降り  ちらちら

この先は拝観料で引返し     がめつい 

日当たりの良い寺へ鳩宗旨替え     鳩

束子だと減るから巣鴨拭かすだけ   地蔵

祭神が裸弁天だから寄り      七福神

石地蔵裾から苔が這い上がり     石像

年金が出たなと巣鴨でも感じ     年金

二拍二礼浮気がバレませんように   拍手

縁日の地割り低音ばかり寄り     集う

ご利益もレプリカですか阿弥陀様   代理

狛犬が賽銭泥に見ない振り      番犬

絵馬堂で退屈しない雨宿り      絵馬

悪筆な坊さんもいた朱印帖       印  

学究を装おった目で歓喜仏      歓喜

お御籤に女難と出たがまだ遭わず   御籤